長時間マスクをしていると健康によろしくない
このような話をよく耳にします。
で、いくつかのサイトやツイッターの意見を見ていて、
不思議なことに気が付きました。
マスクの着用が健康に悪影響を及ぼすと主張される場合、
その根拠の多くは「二酸化炭素濃度が上がること」を謳っています。
反対に「健康への影響など無いのだ」と主張される場合、
その根拠の多くは「酸素濃度が下がらないこと」を謳っています。
ん?
あれ?
二酸化炭素濃度と酸素濃度。
見てるモノが違う。
さて、
大気の組成を見てみると、ザックリこんな感じらしい。
・窒 素 :78.1%
・酸 素 :20.9%
・アルゴン : 0.9%
・二酸化炭素: 0.04%(400ppm)
酸素濃度の計測単位は一般的にパーセント(%)。
パルスオキシメーターで血中酸素濃度を測ったりしますが、
正常値は96~99%程度とされているようです。
これに対して二酸化炭素濃度の計測単位はppm。
ppmは100万分の◯◯を示す単位で、
1ppmは、1%の1万分の1に相当します。
この二酸化炭素の濃度は
「建築物環境衛生管理基準」
によって基準値が定められています。
それによると、
一般的な事務所においては1,000ppm以下に保つこと
とされています。
1,000ppm=0.1%。
外気の二酸化炭素濃度が400ppm=0.04%ですから、
わずか0.06%の濃度上昇が注視されているわけです。
二酸化炭素濃度と酸素濃度。
基本的な濃度も健康上留意する濃度変化の幅も全く違います。
それなのに
・危険を訴える場合:二酸化炭素濃度(ppm単位)
・安全だという場合:酸素濃度(%単位)
と切り口が異なってくる。
どうして同じ基準で評価しないんでしょう?
「山に登って酸素が薄くなっても大丈夫!」
って言っても
「いや、酸素じゃなくて二酸化炭素の話をしてるんだが?」
というすれ違いになりますよね?
基準というか土俵を揃えるのって当たり前だと思うのですが
専門家と言われる方がどうしてそうしないのか?
それが不思議でなりません。
( ̄▽ ̄;)