「夏休み自由研究」であります。
光の三原色といえば赤(Red)緑(Green)青(Blue)の3色ですね。
では
赤いフィルターを付けて撮ったモノクロ写真
緑のフィルターを付けて撮ったモノクロ写真
青のフィルターを付けて撮ったモノクロ写真
を合わせたら、カラー写真になるのか?
というのを、実際にやってみました。
本来は
・モノクロ専用センサーを積んだデジカメで、
・RGBそれぞれのフィルターを付けたモノクロ写真を3枚撮り、
・その3枚のモノクロ写真をPhotoshopでチャンネル合成する
というのが正しい方法になるかと思うのですが、
・モノクロ専用センサーを積んだデジカメとか持ってない
・RGBを正確に分光してくれるフィルターは高い
という自己都合的制約があるので、
・普通のミラーレス一眼で撮影
・RGBフィルターの代わりに100均で買ってきたセロファンを使う
という超ざっくり手法でやってみることにします。
【被写体】
100均のセロファンのパッケージがいい感じの色見本になっていたので、これを被写体として使います。
【光源】
演色評価数Ra≧96のポータブルLEDライトを色温度6500k設定で使用
【カメラとレンズ】
OYMPUS Pen E-PM2 + LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
まず撮影設定はF4.2・SS1/60sec・ISO400で固定
セルフタイマーを使いレンズ前に各セロファンを保持してRGB3色分を撮影します。
赤セロファン
緑セロファン
青セロファン
次にそれぞれのカラー写真をPhotoshopに読み込み。
RGBカラー写真をグレースケール(8bitモノクロ写真)にモード変更します。
「赤セロファンをかけて撮ったモノクロ写真」が出来ました。
同じようにRGB3種類のモノクロ写真を作ります。
それぞれ明暗に違いが出ているのがわかりますね?
左からR赤セロファン・G緑セロファン・B青セロファンです。
次にこの3枚をRGBカラーチャンネルに統合します。
で、OKを押すと各々のモノクロ写真をRGB各チャンネルとして統合したカラー画像が出来上がります。
当たり前に
セロファンを通して撮っている=その分暗くなってしまう
ということなので、RGB各チャンネルの明るさを適正化します。
いきなり「RGB」を触るのではなく、レッド→グリーン→ブルーの順にレベルを調整していきます。
見てみるとわかりますが、レッド・グリーンは比較的明るくブルーが暗くなっています。
これは100均セロファンの各色の透過率によるので、それぞれを調整してあげます。
ほら綺麗!
最後に全体の明るさとコントラストを調整してあげます。
・100均のセロファンでRGB分離したモノクロ画像を作成
・それをカラーチャンネルで統合してカラー画像として再構成
という超ざっくりな方法の割に、きれいなカラー画像が出来たと思いませんか?
そして、このことを理解できているかどうかというのが
RAWデータからカラー画像を作るプロセスの理解には必要不可欠だったりします。
RAWデータというのはベイヤー配列等で並べられたRGBフィルターを透過して撮られたモノクロのモザイク画像データだからです。
RAW現像については人によってあれこれ意見がありますが、議論は基礎概念を押さえてからやりましょう。
そのためにも、
こういう基礎的な実験を
お手持ちの機器と材料で
実際にやってみる
というのは大事なことだと思います。
お時間があれば是非!