思ったことなど置いてみる

写真とか料理とかバイクとか

もっとITを理解すべき?

時々「経営者はもっとITを理解すべき」的な記事を見かけます。
間違ってはいませんが、これだと言葉が足りません。

「ITを理解する」というのは単純な文章ですが、
解釈は複数あります。
例)
1.IT技術についての知見/知識を広げること
2.IT製品の使い方を覚えること
そして
3.ITを道具として認識し、その道具の使い方を理解すること

一般的には1や2という解釈が多いように感じます。
場合によっては「ITに強い=プログラムが組めること」という解釈もあるようです。

しかし、本当に必要なのは
技術的な専門用語や個々の製品の使い方などは二の次です。

ITは事務机や椅子と同じ「事務機」です。
IBMというコンピュータ企業の名前を知っている方は多いと思いますが、このIBMという名前は
International Business Machine=国際事務機
の略。

「ITは事務機/ただの道具」という認識に立てるかどうか。
ここが最も重要です。

例えば事務所のレイアウトを改善する時、
最初に机を選びますか?
違いますよね。
・そもそも何のためにレイアウトを変えるのか?
・必要な導線(通路等)をどうするか?
・必要な収納はどれほどの量か?
・必要な机/椅子の数はいくつか?
・将来に備えてどの程度の余裕を見るか?

そういう事を整理するのが先ですよね。
「どんな机を選ぶか」は最後のはずです。
事務机の作り方や、細かな構造や、専門的な部品名称なんか考えないでしょ?

ところが、これがITの話になると
「これが最新式の机です」
「これからの机はこうあるべきです」
「この机を使うと素晴らしいレイアウトになります」
という話になりがちです。

ITはどこまで行っても事務機/道具ですから。
・そもそも何が目的なのか
・何が得意な道具なのか
・何が不得意な道具なのか
・道具を「誰が、何のために、どのように使うか」
という考え方が必要で、これは机の選び方と基本的には同じです。

ところが自称「ITに詳しい」方々の多くは、
「これが最新式のITです」
「これからのITはこうあるべきです」
「このITを使うと素晴らしい業務改革になります」
と言い出して、専門用語を振り回します。

わかりますか?
「まずITありき」な考え方は間違いです。
ITは道具=手段であって、目的ではあり得ません。
ITは万能の神ではないので
 -出来ないこと
 -不得意なこと
 -向いてないこと
 があります。
そして何よりも
「道具に任せてはいけないこと」は、非効率でも面倒でも人間がやりましょう。

それらを理解した上で、ITそのものに関する知識や理解を深めましょう。
「それはどんな道具なのか?」を理解することは大事ですから。
大事ではありますが、あくまでも一番ではなく二番目以降です。

程度の低いIT系セールスやITオタク的な専門家が沢山います。
彼らの特徴は3点。
・専門用語(カタカタ&アルファベット系)がやたらと多い
IT技術に詳しくない人を馬鹿にする
・こちらの話を聞かない(話が通じない)

こういう人たちの言うことに惑わされないようにしましょうね。