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スマホのカメラは低性能?

今だにiPhone6sを使っている隻ですこんにちは。

 

カメラが好きな人の多くが

「カメラはやっぱり

  フルサイズ!」

と叫びます。

この「フルサイズ」というのはセンサー(撮像素子。フィルムに相当します。)のサイズのことで、35mmフィルムのサイズ(36mmx24mm)のことが「フルサイズ」と呼ばれています。

そしてセンサーサイズが大きく、その画素数が多いほど「高性能なのだ」と言われているのが、昨今のデジカメの大勢です。

 

もちろんそれが間違っているわけではありません。

もしも画素数が同じなら、センサーサイズが大きいほど1つの画素の大きさは大きくなる(=一つの画素が浮け取れる光の量が増える)わけで、特に暗い場所での撮影などでノイズの少なさや階調表現で有利になるのは確かです。

 

また、センサーサイズが大きくなればセンサー上のイメージサークルも大きなものが必要になり、同じ画角を得るのに大きな焦点距離のレンズが必要になります。

焦点距離が大きくなると被写界深度が浅くなりますから、いわゆる「ボケ」が起きやすくなります。

つまり同じ画角のレンズを使うなら、センサーサイズが大きいカメラほど(必要なレンズの焦点距離が大きくなるので)「ボカしやすい」と言えます。

これはポートレートなどで人物にだけピントを合わせて背景をボカしたい場合に、撮影の自由度が上がる(=より広角なレンズを使ったり絞り込んだ状態でもボケが出しやすい)というメリットを生みます。

 

こういうことから、

「やっぱフルサイズが

  偉いやん!」

となるわけです。

 

 

でもね、

・デカいイメージサークルが必要ってことは、レンズの口径も大きいのが要る

 =レンズがデカくて重くなる(持ち運びが大変)

 =価格も跳ね上がる(ふところが大変)

 =明るいレンズとか作ると、とんでもなくデカくて重くて高額になる

 

被写界深度が浅くなるってことは、ピントの合う前後の範囲が狭くなる

 =近くにある物(自分から1m以内くらいとか)を撮る場合に、画面全体をはっきり写すのが難しくなる。

 理由

 前後の広範囲にピントを合わせるためには被写界深度を深くする必要がある

 =絞りを絞り込む必要が出てくる

 =シャッタースピードを遅くするかISO感度を上げる必要が出てくる

 =制限事項が増えて撮影の自由度が減る(難しくなる)

 

 

俺はな

レンズがデカくても重くても大丈夫だし

金だってたくさんあるし

近くの物なんて撮らないから何の問題もないわ

という方もいるかもですが、

 

荷物は小さくて軽い方が助かるし

お金はかからない方がいいし

近くの物だってけっこう撮るわ

という方にとって、

センサーサイズが大きいというのは

無視できないデメリット

になったりします。

 

 

で、ここでスマホのカメラを見てみましょう。

とりあえず自分が使っているiPhone6sのカメラのスペックを見てみると

・レンズ

  焦点距離 4.15mm

    f値 2.2

・センサーサイズ 1/3サイズ(4.8x3.6mm)

      ※フルサイズセンサーの1/50の面積

・画素数 1,200万画素

 

こんな感じです。

焦点距離4.15mmとかフルサイズなら超魚眼レンズのレベル。

被写界深度も深くて、もうどこでもピンと合いまくりです。

それこそ20cmとかの近接撮影じゃない限り、どこでもピントが合いそうです。

 

そして圧倒的に小さい。

ポケットにも入る大きさは、この小さなセンサーが生み出しています。

 

レンズのf値も2.2と明るく、内蔵の現像ソフトの性能も高いため、暗い場所での撮影もそこそここなす(ていうかとても綺麗)。

スマホのカメラにもRAWデータはありますし現像もされてます。

 

このようにスマホのカメラは

フルサイズセンサー機では真似の出来ない性能を生み出します。

 

 

いつも書いてることですが

「どちらが優れているのか?」

ということではありません。

 

道具には、それぞれの特性があるので

使い方に合った道具を選ぼうね

 ということです。

 

大事なのは

どんな状況で

どんな物を

どんな風に撮りたいのか?

そのためには、どんな道具が適しているのか?

です。

 

 

残念ながら

全ての状況とニーズをカバーする

万能なカメラ

というのは存在しません。

 

「カメラを始めるなら

 フルサイズ一眼レフやで!」

という声を聞いたら

一旦席を外して

冷静に考えてみましょう。

 

 

 

【追記】

問)

「じゃぁ、どうしてカメラメーカーは

 フルサイズ高画素数のカメラに力を注ぐの?」

 

答)

「だって商売だし(テヘッ)」

 

安い物より高い物が売れた方が

いいに決まってるじゃないですか。