思ったことなど置いてみる

写真とか料理とかバイクとか

食べ物の写真を美味しそうに!

※一部リンク切れ等あったので小修正

 

一生懸命に作った夕食の写真をブログとかツイッターに載せるんだけど、

いまいち美味しそうに写らない!

そう感じたこと、ありませんか?

 

 

この「いまいち美味しそうに写らない」の犯人は

蛍光灯です。

f:id:seki_albatross:20200129032602j:plain

 

この蛍光灯の光は、人の目には白っぽく見えるのですが

実は 緑 色 をしています。

 

デジカメで撮った写真は色の補正が簡単に出来ます。

スマホであればアプリですぐに出来ますね。

 

で、その時に覚えておくと

綺麗に色補正出来るコツ

があるのでご紹介します。

 

 

サンプルに撮影したハムトーストさんがこちらです。 

f:id:seki_albatross:20200129174045j:plain

  

何ていうか

元気がないというか 

新鮮さに欠けるというか

少なくとも「お、旨そうやね!」とは言えない感じです。

 

 

さて、せっかくですから

単純なアプリの操作とかではなくて、

何がどうなっていて

どうすればいいか?

について少し書いてみましょう。

 

まず色には補色というものがあります。

Wikipediaから引用すると

補色(ほしょく、complementary color)とは、色相環 (color circle) で正反対に位置する関係のの組合せ。相補的な色のことでもある。

 

補色の組合せは色の表現法によって異なり、RGBの場合は

RYBの場合は

などである。余色対照色反対色ともいう。

という感じのものです。

 

実際に見てみましょう。

これは「色相環」と呼ばれる図式です。

今の場合は光を扱うので「RGB」という基準による色相環を用います。

※その他の色の基準による色相環もあります

この図の中でお互いに向かい合う色が

「補色(反対色)」になります。

f:id:seki_albatross:20200129034211p:plain

 

この図の上下に位置するブルーとオレンジの関係が、

いわゆる色温度に当たります。

中央の白い部分が基準となる太陽光の白で

5,500K(ケルビン)付近になります。

f:id:seki_albatross:20200129034216p:plain

 

例えば電球の光は、オレンジ寄り=色温度が低い光と言えます。

このような赤味を帯びた光で写した写真を通常の色合いに修正するためには、

写真全体の色温度を上げてやればいい

⇒ブルーのフィルターを掛けてやればいい

となります。

※カメラのホワイトバランス設定で「電球色3200K」とかを選ぶと写真が青っぽくなるのは、光源である電球色に対してバランスさせようとしているからです。

 

f:id:seki_albatross:20200129034219p:plain

 

この色温度調整とは別に、もう一つある色補正の項目が「色あい」です。

※色補正が出来るアプリには様々なものがあり、個々のアプリで表現は違ってきます。

 

この「色あい」の調整はマゼンタの関係となり、

色相環では先程の色温度直交する位置関係となります。

f:id:seki_albatross:20200129034222p:plain

 

最初にお話したように、蛍光灯の光は緑色です。

そして緑色は色相環では「色合い」の調整領域にあります。

色温度」の調整領域ではありません。

つまり「緑色は色温度では修正しにくい」ということです。

f:id:seki_albatross:20200129034225p:plain

 

この緑色に寄った「色合い」色温度」で補正しようとすると、かなり強めにオレンジ(というか黄色)寄りの補正をしてやる必要が出てきます。

f:id:seki_albatross:20200129034228p:plain

 

これを防ぐためには、

 

1.まず「色合い」でマゼンタに寄せて緑被りを取り除き

 

2.その後で色温度で暖か味の調整をする

 

という2段階の調整をすることで、

過度に黄色っぽくならない

自然で美味しそうな色合いへの色補正が出来ます。

f:id:seki_albatross:20200129034233p:plain

 

サンプルのハムトーストさんで見てみましょう。

まず最初にも出てきた蛍光灯で撮ったままの画像。

かなり緑がかかっています。 

f:id:seki_albatross:20200129174045j:plain

 

次に「色温度」だけ調整した場合。 

緑被りは軽減されますが、なんせ黄色っぽくて不自然さは拭えません。 

f:id:seki_albatross:20200129174215j:plain

 

では色温度」の調整は一旦取り消して、

「色合い」だけを調整して、緑被りを取り除きます。

 

どうです?まな板の木の感じとか、かなり自然な感じになってませんか?

f:id:seki_albatross:20200129174255j:plain

 

そして、この状態から色温度調整で少しだけ暖か味を増やしてあげましょう。 

 そんなに不自然ではなくて、肉眼で見た色に近づきます。

f:id:seki_albatross:20200129174321j:plain

 

 よくありがちなのは、テーブルやお皿が白っぽいせいで、全体的に暗めに写ってしまうことです(カメラの自動露出調整ではありがちなことです)。

それを緩和するために、最後に明るさを調整して仕上げるとこうなります。

f:id:seki_albatross:20200129174443j:plain


 最初と最後を並べてみます。

かなり違いますね。

f:id:seki_albatross:20200129174045j:plain
f:id:seki_albatross:20200129174443j:plain

 

・「色温度」と「色合い」

・「オレンジvsブルー」と「緑vsマゼンタ」

・直交する2つの方向の色調整

これを頭に置いて加工ソフトや現像ソフトを使うと、迷うことが減ります。

 

せっかく作った晩ごはん。

本来の美味しそうな色にしてUPしましょう!

 

 

 

 

<追記> 

このような画像調整について書くと、

「色合いとか調整するなら、RAWデータが要るよ」

「こういう調整するならやっぱり一眼レフが要るわ」

と言う方が出てきます。

※RAWデータとはデジカメ内部で記録された生データのこと。
 JPEG等の一般的な画像データになる前のデータで情報量が多いのです。

 

しかし、ほとんどの画像調整において

RAWデータは「必要」ではありません。

普通のJPEGデータでOKです。

一眼レフとかミラーレス一眼である必要もありません。

スマホのカメラでも十分です。

 

但し、JPEGデータが人が見ても分からないレベルの内部データを切り捨てているのに対して、RAWデータはカメラの撮像素子が捉えた生情報を可能な限り持っているので、

RAWデータの方が

より柔軟に広い範囲の調整が出来て

かつ画像の美しさを損ないにくい

ということは言えます。

※ただしRAWデータはデータサイズもデカいです(JPEGの数倍以上)

※よほど大きな修正をしない限り、JPEGデータで問題ありません。

※どうしてもRAWデータが欲しい場合、
 スマホのカメラでもアプリでRAWデータを取得出来ます。

 

今回扱っている

色温度や色合いの小修正なら

もちろんJPEGでOK!

 

データの種類は、用途に合わせて使い分けましょうね。