マイナンバー界隈が荒れてますね。
ということで、マイナンバーとマイナンバーカード周辺について
ちょっと整理してみました。
まず、約20年前のシステムである「住基ネット」が規定した
住民票コード(ランダム10桁+チェックディジット(CD)の11桁)
があります。
この11桁の住民票コードを変換した別の11桁の数字に
CD1桁を足した12桁の番号が「マイナンバー」。
どちらも「住基ネット」内にマスターがあります。
つまり
マイナポータル(情報提供ネットワークシステム)の内部で利用されるのは、
マイナンバーではなくて「(機関別)符号」。
これは住基ネット内のマスターを使ってマイナンバーから住民票コードを検索し、住民票コードを元に発行されます。
あれ?
これって単なる二度手間じゃね?
最初から住民票コードでいいんじゃないの?
そういえばマイナンバーカードって
「写真付き住基カード」の焼き直しですよね?
住民票等のコンビニ発行では、マイナカード内の
「公的個人認証AP(アプリ)」
が使われているのですが、このアプリではマイナンバーは使われていません。
使われているのはシリアルナンバーと秘密鍵だけ。
大学の図書館利用にマイナカードを使う際には、カード内の「マイキーID」が利用されるので、ここでも12桁のマイナンバーそれ自体は使われません。
マイナンバーが使われるのは
マイナポータル(情報提供ネットワークシステム)
の入り口だけ。
しかしシステム内部では住民票コードを経由して発行される「符号」で運用される。
ならば入り口に入るのも住民票コードでいいのでは?
住基ネットと住民票コードは
約20年前に出来た古いシステム。
その古いシステムに100%依存してるのがマイナンバーシステム。
基盤を支えるネットワーク「総合行政ネットワーク(LGWAN)」の本格運用開始も2003年度と古い。
システムが古いということは運用体制も古いわけで、
さらに総務省が取り仕切ってた体制にデジタル庁を割り込ませた結果
責任の所在も曖昧になった。
そして不思議なのは、
地方公共団体情報システム機構(J-LIS)
という法人。
・マイナカードを作成
・住基ネット/LGWAN運営
・公的個人認証サービス提供
・自治体中間サーバー運営
・地方交付税等の情報処理事務受託
・自治体への教育研修
という多岐にわたる中核機能を担いながら、
従業員はたったの310名(2023年2月)。
ITの世界で「約20年前」が何を意味するか、お分かりですよね?
住基ネットの一次稼働は2002年。
本格稼働が2003年。
初の内蔵型カメラ付き携帯電話シャープ「J-SH04」が2000年に発売。
「写メ」という言葉が生まれました。
まだスマホなんてない時代。
ちなみに初代iPhoneの発売は2007年(アメリカのみ)。
日本では2008年にiPhone3Gが発売。
そういう時代のシステム基盤上で動いてるんですマイナンバー。
どうしてトラブルが多いのか?
いやいや、逆に
トラブルが起きない
と何故思えるのですか?
築20年の木造2階建ての家屋をコンクリの壁で覆っても
「ビル」にはならないでしょ?
その上に3階4階とフロアを積むとか、無理でしょ?
つまりそういうことです。