「ヨコハマ買い出し紀行」というコミックがある。
これもけっこう前のものなんだけれど、ゆっくりと文明が衰退していく時代を過ごしていく超AI搭載のアンドロイドと人間の日常を描いたものだ。
※初版1巻発売1995年。新装版発売2009年。古本屋さんにもあるよ。
超AI搭載のアンドロイドと書いたけれど、作品では「ロボットの人」と呼ばれている。
・見た目はヒトと同じ
・喜怒哀楽の感情もヒトと同じ
・食べて寝てあくびしてトイレも行くけど、年をとったりはしない
そういう「ロボットの人」の一人である「アルファさん」が主人公。
あらすじ的なものに深く触れる気はないけれど、是非ご一読頂きたいと思う。
ただ、ここで取り上げた理由は、「作品としておすすめ」ということだけではなくて、この「ロボットの人」という接し方にある。
それはITとかAIとかいう単語を軽く飛び越して、「日常の中にいるヒトとはちょっと異質な知性体」的な居所を見つけているように思う。
外見がヒトと同じということもあるのだろうけれど、それでも明らかにヒトではないそれが「家族みたいなもん(作中より)」として扱われ、ヒトと一緒に暮らしている状態というのは、とても素敵なものだなぁと思うのです。
以前AIについて書いたこととも通じるのだけれど、異質なものと共に暮すということには様々な抵抗感が伴うのは当然で、その抵抗感にどのように対応するかというのは相手がAIだろうが外人さんだろうが動物だろうが結局同じことなのだろうなと思うんですよね。
seki-albatross.hatenablog.com
では自分はそうすることが出来るのか?というと、多分まったく出来ない。
異質なものとの接触を恐れるだろうし、対面したらどうしていいか分からない。
フリーズして何も出来ないか、とにかくその場から離れようと必死になる気がする。
でも同時に、そんな風にならないでもっとフワッと相手と自然に接することが出来たらいいなぁと思うのです。
いつか「ロボットの人」と会えたらいいなぁ。