「教習所なんて免許を買うだけの話だから、
要領よく卒業さえすればいいし、
大型二輪とかの免許も最初にまとめて取った方が効率いいって。」
っていう意見は、まぁよく聞きます。
それも考え方の一つだなとは思うのですが、それとは違う考え方もあります。
自分は普通二輪(自動二輪車中型限定)を取って、
けっこうな年数250~400ccに乗ってから大型二輪を教習所で取りました。
※GSX250E > RZ250R > BANDIT400 & Serow225/Serow250
今はこれ ↓
当時はまだ大型が教習所で取れるようになってすぐの頃で、
周りには
「教習所で取った大型二輪免許なんて偽物だ」
「一発試験で限定解除した者こそ本当の大型乗りだ」
「教習所で取る奴なんて軟弱だ」
というような意見が吹き荒れてた時期です。
ただ、自分が大型二輪教習に通って思ったのは、
「特に難しいテクニックが要求されるわけではなかった」
ということ。
もちろん教習所によって教習内容に差があることは承知してます。
知人が通った教習所では、フルロックUターンが出来ないと技能認定しないという所もあったようでした。
そのような例外的な教習所もあったようですが、そもそも教習所なり免許制度が公道を安全に走るのに必要なもの以外のテクニックを要求していたら、そっちがおかしいわけで、やはり大型二輪教習&検定が目指すものは
「アクロバティックなテクニック」ではなく
「基本の徹底」なのだと思います。
ある程度の年数自分なりに乗っていると、
気づかない部分で様々な「癖」が付いてきます。
・ブレーキレバーの指二本掛け
・ステップへのつま先立ち
・リアブレーキの不使用
・チラ見しかしない安全確認
・ニーグリップ何それおいしいの?
・極端な前乗りor後ろ乗り 等々
一本橋、スラローム、波状路等、大型二輪教習の走行課題では普通二輪教習に比べて難易度の上がるものもありますが、そんなに極端に難しいわけではありません。
最も難しいのは、先にあげたような「癖」を「基本」に引き戻すことです。
ブレーキの指二本掛けが「問題だ」「ダメだ」という話ではないです。
問題は「基本のやり方が出来ないこと」。
「基本を欠いた応用はあかん」。
教官に言われたのはこの一点と言っていい。
ある程度乗ってから基本に立ち返るのは、自分だけでは難しい。
だって「応用」を効かせた「自分テクニック」が身に付いてますから、
自分だけでは、基本に戻し辛い。
何が言いたいのかと言うと、
初めてバイクに乗る方は、
最初に大型二輪まで一気に免許を取ったりしない方がいいよ。
ということです。
面倒くさい?
非効率?
そうですね、その通り。
・小型限定や普通二輪の教習で「基本」を習って、
・そのまま「基本」の延長である大型二輪の教習をやって、
・で、公道に出て自分なりに走る!
というのは、面倒くさくなくて効率も良い。
ですが、
・乗れるようになってから、改めて基本を身につける
とか
・乗れるようになってから、基本の重要性を身を持って知る
という機会を失うことになります。
「バカじゃねーの?そんなもの要らんわ。」
という方も居て当然。
議論も説得もする気はありません。
ただ自分はそういうものは大事だなと思うだけです。
なので、これから免許を取ろうとする方には、
・まず小型限定なり普通二輪なりの免許を取って
・扱いやすい大きさ/重さのバイクで公道を自由に走れるようになって
・その後で大型二輪の免許を取ること
をお勧めします。
誤解しないで欲しいのは、
「小さめのバイクの方が簡単」とか
「まず簡単な初心者向けのバイクで練習するべき。」
という話ではないということ。
大型二輪には
・大きい
・重い
・やたらとパワーがある
という難しさがあります。
ですが、逆にそれは
・重いことでバイク自体の安定性が高い
・トルク(エンジンの力)があるので、エンストもしにくいし、
頻繁にシフトチェンジもしなくていい
というメリットも生みます。
つまり「バイク任せで走るのが楽」ということ。
これに対して250cc程度のバイクだと
・大きくない
・重くない
・そんなにパワーがない
となるわけですが、これはそのまま、
・乗り手がちゃんと乗らないと安定しない
・エンストもしやすいし、シフトチェンジ(アップ&ダウン)も
頻繁に行う必要が出てくる
という難しい状況が来るということです。
大きいバイクに乗ってる人で、小排気量車にまともに乗れない人とか
そこら中にいますからね。
この難しい状況を克服した上で(=結果的に変な癖とかも付いた上で)
改めて「基本」を身につけることに意義を見出す方には、
大型二輪の免許を「後の楽しみ」に取っておくことを勧めます。
繰り返して書きますが、議論も説得もする気はないです。
こういう考え方もあるよ、という話だけ。
あとの判断はご自身で。
ま、楽しく走りましょう。