先般、インプレスのデジカメWatchで行われたアンケートがあります。
この結果ですが、
「使ってない」の意見を見ると
AIか否か
という話より、もっと手前の
加工の是非
という段階でダメ出しされてる方が多いように思えます。
フィルム写真は化学反応で
デジカメはデジタル信号処理で
各々画像を生成しています。
そしてそれらはメーカー技術者が予め調整/設定した結果でしかありません。
デジカメの多くはベイヤー配列のセンサーを採用しているので、ベイヤー配列のRAWデータからデモザイク(演算処理)してカラー画像を生成し、さらに歪曲収差やノイズや色温度やコントラスト等々を調整した結果が、いわゆる「撮って出し」になるわけですが、これらはカメラメーカーの技術者の設定/調整による「加工画像」です。
「真」でも何でもない。
「メーカー技術者推奨画像」でしかありません。
RAW現像・レタッチ等の加工をすると
自分の写真でなくなる?
いやいや逆です。
何もしなかったら「メーカー技術者推奨画像のまま」
ということです。
それは「自分の写真」から、最も遠い存在。
あなたの意思が何も反映してない写真。
こう言うと、
いやいやRAW現像はいいのだRAW現像は
ダメなのはレタッチだ。
と言う方が現れます。
例えばこの写真に手を加えて
こんな風に加工したら「ダメ」ということですね?
ところがです。
これらの写真も元となったRAW画像(歪曲収差と色温度設定だけが反映された状態)はこちらになるんですよ。
で、これを普通にRAW現像したのがこちら。
さらに言うなら、
1枚目・2枚目の写真も同じRAWデータから編集したものなので、
どれもレタッチ画像ではなくRAW編集画像です。
さて、RAW現像とレタッチは何が違うのですか?
きっちり図を描いて説明出来る方はいらっしゃいますか?
私が「これが元となるRAW画像」と言ってるのは本当でしょうか?
実は最初の画像がRAWかもしれませんね?
あるいは3枚とも加工画像で、元は全然違う写真かも。
ひょっとしたら「これら全てがAI生成画像」という可能性もあります。
いやいや困ったこまった。
前述したように
何もしなかったら「メーカー技術者推奨画像のまま」
です。
フィルムやデジタルセンサーで記録される画像に「真」などありません。
それらは、肉眼で見る映像とは違う性質のものだからです。
もちろんあなたの意思や印象を自動的に記録してくれるカメラなどありません。
ということは、あなたが見た光景はあなたが作る(再現する)しかないし、その時に自分が感じた印象をどのように強めても弱めても問題などないのです。
極端な例として、全ての色が邪魔だったのなら
あらゆる色を排除してしまえばいい
=>結果的に「モノクロ写真」になるわけですが、
モノクロ写真は邪道ですか?
「加工は邪道だ」のように言う方に惑わされず、
自由に自分の写真を作りましょう!