思ったことなど置いてみる

写真とか料理とかバイクとか

「無加工」?

SNSで写真がアップされているのをよく見るのですが、

「無加工」

という断わりというか添え書きを入れているのを時々見かけます。

 

うーん (゜-゜)

 

写真が出来上がるまでには

1.撮る前

2.撮る時

3.撮った後

の3工程があるわけですが、

この「無加工」というのは、

工程3の「撮った後」は何もしてません

って宣言してるんですよね。

 

一般的な状況であれば、

・被写体の状態はどんどん変わり

・光の具合もどんどん変わり

・露出や構図やフレーミングをじっくり検討してたら
 シャッターチャンスを逃してしまう

というケースが圧倒的に多いんじゃないでしょうか?

 

何より、カメラと肉眼では特性が全く違うわけですから、自分の目で見た光景やそこから感じた印象をカメラが忠実に再現してくれることなんて、普通はないわけです。

 

 

つまり

1.撮る前

2.撮る時

3.撮った後

「1.2.」だけでは拾い切れないものが残るわな

ということです。

 

「無加工」という添え書きというのは、

「そんな『拾い残し=まだ出来ること』なんて

 オレには無いぜ」

という宣言に聞こえて

へー、凄いなー(棒)

と思ってしまうんですよね。

 



それとも、ひょっとして

「加工=悪」

とでも言いたいのでしょうか?

 

カメラが撮られた写真に、

撮影者ごときが手を加えるなど

けしからん!

ということなのですか?

 

この、何というか

「加工=悪」みたいな価値観というのは

どこから来るのでしょう?

 

あなたが撮った写真は

加工しようがしまいが、あなたの写真です

 

「いやオレは加工してないから」

と言っても、

「加工しない」という道を選んだのはあなた自身ですから

何の言い訳にもなりません。

 

さらに不思議なのは、

撮る時に

・各種のフィルターを使ったり

・長時間露光等の特殊処理をしたり

・当たり前に絞りやシャッター速度の効果を使ったり

・イメージコントロール等を使ったり

アスペクト比(3:2とか4:3とか16:9とか)を変えたり

といった意図的な「加工」を散々しているのに

「無加工」

と言ってしまう不思議。

 

これって、ひょっとしたら

撮った後はほぼ何も出来なかった
フィルム時代のカラー写真の名残り

なのかな?と思えてきます。

 

でも、今使ってるのデジカメでしょ?

フィルムカメラで撮ったものをデジタル画像にしてる場合も同じです。

デジタルは、撮った後にいろんなことが出来ます。

1.撮る前

2.撮る時

3.撮った後

「3.撮った後」のウェイトがものすごく高いわけです。

 

 

これを読んでる方の中には、これからカメラや写真を始めたいという方もいらっしゃるでしょう。フィルム時代の手法をデジタルに持ち込む「自称ベテラン」な方は、けっこう沢山います。

でも、

「出来ることをする」のは「悪」ではありません。

 

魚を食べる時

刺し身こそ至高!

と言って、焼き魚や煮魚を馬鹿にする料理人とか

 

牛肉を食べる時

生肉こそ至高!

と言って、ステーキやハンバーグを貶す料理人とか

 

普通はいませんよね?

 

周りの「自称ベテラン」が何を言おうと

あなたがやりたいことをやればいいのです。

RAW現像だのレタッチだの、呼び方は様々ですが

自分が欲しい写真を得るために

「やってはいけないこと」などないのです。

 

「自称ベテラン」に騙されず

自由に写真を撮りましょう!