今も昔も、写真を撮る道具であるカメラの基本的な使い方は変わりません。
ざっくり書くと、
1.ISO感度を決めて
2.ズーム(又はレンズ選択)で画角を決めて
3.ピントを合わせて
4.適正露出を掴んで
5.状況/意図に応じて、露出補正をして
6.シャッターを切る
1についてはスマホなんかだと意識してないことが多いかな?
3のピントについては、オートフォーカスが一般的ですね。
4の適正露出については、いわゆる
-絞り優先オート
-シャッタースピード優先オート
-プログラムオート
ーカメラにおまかせ系オート
-マニュアル操作
等がありますね。
このように方法は色々あるわけですが、
「感度・ズーム・ピント・露出・補正・シャッター」
という6工程というのは、昔も今も変わりません。
これら6工程は、撮影中に各々を調整することがあるものなので、それぞれのダイヤルとかレバーとかが独立して付いていた方が便利です。
ところが最近のデジタルカメラを見ると、一眼レフ(及びそれに類するミラーレス一眼)は問題ありませんが、レンズ交換できるコンパクト機や10万円以上もするような中級以上のコンデジで、これらが独立装備されてないものが目立ちます。
よく見られるのは、何らかの調整用のダイヤルが「一つ」あって、例えば絞り調整とかズームとか露出補正などから「機能を一つ選んで設定することが出来る」ような製品。
機能を「一つ」選ぶ?
ん?
それだと、
・ダイヤルを「絞りの調整」とか「プログラムシフト」に設定すると
・露出補正は「設定画面からしか出来ない」
というような事が起きます。
どうして「操作系」を省略するんだろう?
・画素数が多いとか
・センサーサイズが大きいとか
・手ブレ補正がどうだとか
そういう「高性能さ」は、それはそれで大事だけれど、
撮影の際に必要な操作系を設定画面に押し込めてしまうのが不思議でしょうがない。
・いちいち機能呼び出し用のボタンを押して
・画面を見ながら十字キーとかで設定値を選んで
・「OK」押して
・撮影画面に戻って
・で、撮る
、、、、って面倒くさくないですか?
これがクルマだったら、ニュートラル(N)からドライブ(D)に入れるのに、
・機能呼び出し用のボタンを押して
・画面を見ながら十字キーとかで「D」を選んで
・「OK」押して
・はい発進
とか、あり得ないじゃないですか。
パッと動かすことが出来るシフトレバーが必要ですよね?
でもカメラだと、そういう「パッと動かせる操作系」が省略されたりする。
入門・初心者用とは思えない=積極的なコントロールが出来る中級者以上をターゲットにしているはずのカメラなのに、です。
全部が独立ではなくても、少なくとも露出コントロール系の2つ、
・露出モードに応じて、絞り/シャッタースピード/プログラムシフトをコントロールするダイヤル
・露出補正をするダイヤル
の2つくらいはパッと操作できるダイヤル等を装備してないと、
「カメラが決めた露出におまかせ」
が撮影のベースになってしまう。
ざっとコンデジ系の製品を見渡すと、
※2020/2/6:パナソニック製品を見落としてましたので追記しました。
パナソニック:DC-TX2/1, DC-LX100M2, DMC-LX9
リコー:GRⅢ
富士:X100F・XF10
この辺りはちゃんと最低限と思える2つ以上の操作系ダイヤルを装備してるけど、その他はダイヤル類が一つしか無いものがほとんど。
※見落としがあったらすみません
※レンズ交換が出来ないだけでほぼ一眼レフと同じような機能の「でっかいコンデジ」は対象外としています
※あくまで操作系の装備の話であって、カメラそのものの評価の話ではないです。
※「えー、AF遅いやん」とか突っ込まないように。
カメラメーカーさん。
カタログスペック上の「高機能」を追うのと同時に
「操作系の充実」をお願いします。
操作系のダイヤルを装備するのは「懐古趣味」ではありません。
「高スペックだけど、操作しにくい道具」とか滑稽です。
・被写体から目を離さず
・手の感触だけで
・各種の設定が分かる&変えられる操作系
少なくとも自分はそういうカメラが欲しいなと思います。
追記:オリンパスさん
Pen Fが生産中止らしいですけど、あの操作系を踏襲したコンパクトミラーレスとか出して下さいよ。レトロな感じとか特別プレミアムなものとかじゃ無くていいので、操作しやすいコンパクトなミラーレスをお願いします。
※でもローレット加工のダイヤルは好き