思ったことなど置いてみる

写真とか料理とかバイクとか

合成写真

 先日書いた「Photograph」の続きのような話です。 

seki-albatross.hatenablog.com

 

ここに綺麗な月の写真があります。

Moonrise

 flic.kr

 

撮影したのはmaxime raynalという方。

ご自身のサイトをお持ちで、自己紹介には次のようにあります(自動翻訳)。

私は、パリのCMDL(Centre des musiques Didier Lockwood)とペルピニャンのCRRでピアノと作曲を専攻したピアニスト兼作曲家です。

www.maximeraynal.com

 

この方は音楽家であり、ご本人のサイトやflickrのページを見てもその写真は「アート」を目指したものであることは瞭然です。

f:id:seki_albatross:20210518090724j:plain

 

この写真(冒頭の"moon rise")はTwitterで流れてきたものなのですが、

美しい

とか

幻想的だ

とかの話がされているものではありませんでした。

 

 

・合成は否定しない

・これを実際の風景と思う人も多いだろうから拡散すべきではない

・リアルでは残念ながらこうは写せないのだ

 

もう「非難」としか言えないものばかり。

結果として、この写真を紹介した方はツイートを削除。

 

 

どう思われます?

 

こういう作品は

「真実を写すという意味での『写真』」

ではないかもしれませんが、非難されるような物でしょうか?

「拡散すべきではないもの」なのでしょうかね?

 

 

ちなみに拡散を避けるべきとしていた方々は、

天体写真の愛好家です。

※一部の人だけだと思いたいです

 

普段から

・600秒の露光を30枚合成して
 肉眼ではぼんやりとしか見えない星を明瞭化

とか

・カメラの赤外線フィルターを外して
 目には見えない星雲の赤色を表現

とかやってる方々です。

 

そうやって撮られた天体写真を見て、

天体望遠鏡だと星はこんな風に見えるんだなぁ」

と思う人って、いないですかね?

 

 

これはNASAが公開しているオリオン大星雲の写真です。

https://www.nasa.gov/sites/default/files/styles/full_width_feature/public/thumbnails/image/pia01322.jpg

www.nasa.gov

 

この写真を紹介したサイトから、一部引用させて頂きます。

 

12月31日にNASAが共有した画像は、ハッブル宇宙望遠鏡スピッツァー宇宙望遠鏡が捉えた「オリオン大星雲」の合成カラー画像だ。

 

ハッブル望遠鏡のような宇宙望遠鏡が、オリオン大星雲を構成する水素、硫黄、炭素分子を画像化する場合、色を捉えているわけではない
ハッブル望遠鏡は光の粒子を記録し、NASAはそれを特定の波長の色だけを取り込むさまざまなフィルターを通す。そして、例えば、赤いフィルターを通過した光には赤を割り当てるのだ。 

 

異なるフィルターを通した画像を組み合わせることで、上に示したような合成カラー画像を作成することができる。

 

「物体の細部を強調したり、通常は人間の目では見ることができないものを視覚化したりするために、我々はしばしば色を道具として使用する」とNASAは述べている。

 

www.businessinsider.jp

 

もう「合成」しまくり。

実際にどう見えるかとか関係なし

あの手この手で「合成・視覚化」するのが当たり前の分野。

その分野の愛好家が、

一人のアーティストの美しい合成写真を非難しその拡散を否定するとか

いったい何考えてるんですかね

 

 

この写真(同maxime raynal氏の作品)を見て

「月が9個も見えると思う人もいるかもしれない」

と、心配しますか?

「だから拡散すべきではない」と言いますか?

Eclipse 2019

 

 

 あのな、世の中には「心象風景」いうものもあるんや。

 

 少しは物事区別して考えようや。