PCR検査ってありますが、これには
「感度」と「特異度」
という主な指標があります。
感 度は、病気に罹ってる人に対して「陽性」の結果を出す確率。
特異度は、罹ってない人に対して「陰性」の結果を出す確率。
要は
感 度=陽性判定の正解率
特異度=陰性判定の正解率
です。
この感度と特異度というのは、
有病率(何%の人が実際に病気に罹っているか)
によって変化しまして、結果的に
では、
グラフにしてみましょう。
ではまず、厚労省が最初の頃に示していた
感 度:70%
特異度:99%
の場合。
グラフの縦軸が偽陽性/偽陰性の発生率。
横軸が有病率です。
有病率が下がる=検査対象に占める「実際に罹ってる人の割合」が下がると
偽陽性の発生率が非常に高くなることが分かります。
「えー、感度とかもっと高いはずだし。」
「PCR検査の精度ってもっと高いだろ。」
という声が聞こえてきそうなので、
感 度:99%
特異度:99%
の場合をやってみると、こうです。
偽陽性の発生率を見ると、多少下がってますが、
基本的には同じですね。
※偽陰性のカーブはけっこう変わります。
これが何を意味しているのか?ですが、
要は検査する前にお医者様が診る等によって、
有病率がある程度高くなれば偽陽性は減るけれど、
無症状者等への検査を増やして
結果的に有病率が下がると、
偽陽性率が爆上げになるってことです。
現在の国内感染者数は、1,054,890人とのこと。
日本の人口は約1億2536万人らしい。
ということは全国の罹患率は、ざっくり0.84%。
仮に有病率が1%で、感度が99%だった場合。
偽陽性率は50%。
有病率が1%で、感度が70%だった場合。
偽陽性率は58.6%に達します。
※表中の母数が変わっても割合は変わりません。だって「割合」だから。
「とにかくPCR検査を増やせ!」
という号令は、偽陽性爆上げの危険性を持ってます。
こうして見ると、
・何らかの自覚症状があって
・お医者様の判断があって
・その上で検査をする
という言われてみれば当たり前のプロセスというのは
やはり大事だよね、ということかと思います。